鬼の居ぬ間に心の洗濯を | 幕間だけの天井桟敷

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  適当な湯加減で書いています


幕間だけの天井桟敷-鬼歯車


気づけばもう師走の12月。

ブログも3年近く更新してなかった。そしてその3年の間にものすごい速度でダメ人間になった。日々、失敗と恥じらいの繰り返し。穴があったら入って暮らしたいほどのレベル。


そりゃ自分の日頃の行いがよろしくないゆえの結果だからというのはわかっちゃいるけど、自分のやったことがこんなに鮮やかに自分に返ってくるという、これほどまでの一流のブーメラン使いになるとは思いもしなかった。


というよりブログはやめたんだけど、何かの偶然か、最近何人かの方に「ブログ再開しないの?」 と言われたので、気まぐれに更新してみようと思う。


さて、本題ですが、表題の写真。

前にも自分のSNSのどこかでアップしたかもしれないが、「鬼歯車」というインパクトある看板。

ただの歯車ではちょっと…的なことから、鬼をつけることで凄みを出したかったのだろう。


そもそもこの鬼という言葉、英語で言ういわゆる「very」という意味になることもある。

今でこそあまり言わないかもだが、「鬼美味い」「鬼怖い」とか、とかく表現を強調したい時に使うのだろうが、いかんせん何でもかんでもこの「鬼」をつけたりするのをはじめ、最近の言葉の乱れといったらヒドイものがある。


最近の若い子なんか、なんでもかんでも「やばーい」と形容したりするのもその悪しき例。
嬉しくても「やばい」

怖くても「やばい」

感動しても「やばい」

君らには語彙の豊かさは無いのか!と我々30代の人間も鬼怒りの状態で若者たちにやばいぐらい鬼説教したくなるもんです。ほんとやばいよ最近の世の中!


話がやばいぐらい豪快にズレたが、鬼歯車というので思い出したのが、以前に知り合いから聞いたエピソードである。


仕事の商談で、刀鍛冶の工房に行ったのだが、そこに「鬼軍曹」と呼ばれるベテランの刀鍛冶さんがいらっしゃった。


刀鍛冶の仕事はかなりシビア。刀を打ち付け、研ぎ澄ますための、本当の意味で火花を散らす刀との真剣の戦いとも言える。その中でも鬼軍曹と呼ばれるその方の仕事ぶりは凄まじく厳しいものがあるらしく、弟子が入っては辞め入っては辞めという状態が続いていたらしい。


そんな鬼軍曹に、恐る恐る「こういう仕事って、10年やらないと一人前になれないもんなんですよね?」と訊いたら、こんな答えが返ってきた。


「いや、10年やって、やっと向いてるか向いてないかわかるんや」


な、なんという想像の100歩先を行くぐらいの絶望的なコメント。もはや回答のクオリティまでもが鬼軍曹レベル。

まあ、職人さんのお仕事ってそれほど厳しいということなのかもしれない。


まさにローマは一日にして成らず。

そりゃ来年の事を言えば鬼も笑うわなっていうもんです。